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第1回研究発表会〈2016/4/10〉#3

昼食後は、

「クライアントに多い子宮の病気を正しく理解する 子宮内膜症・子宮筋腫」

の演題で、桜井先生と松永恒伊先生(東京ミッドタウンクリニック婦人科)に登壇いただきました。

●子宮内膜症

●子宮筋腫

いずれもよく耳にする病名です。

子宮内膜症は月経が活発に起こる25−44歳女性の10−15%(参考)、子宮筋腫は30歳以降の女性で20−30%に認められる(参考)とのこと。

先生方にこの疾患について教えていただきたいと思ったきっかけは、アロマセラピストらの間で、まったくの正反対な考えをしていることが見受けられたからです。

(A) エストロゲンに起因する疾患なので、「ホルモン様作用のある精油は禁忌」

(B) ホルモンバランスの乱れを改善するために、「積極的にホルモン様作用のある精油を使用するべき」

という考え。

ただどちらも、「エストロゲン」という原因の一部だけを切り取って、全体(原因、病態、症状、治療法、問題点など)からの理解に乏しい感がありました。

そこで、私たちセラピストは正しく理解した上で、クライアントに接していかなければいけないと思い、今回、先生方にお願いをしました。

まずは、桜井先生による「子宮内膜症」に関する講義。

子宮内膜症は、そもそも子宮内膜にできる病変ではなく、それ以外(卵巣、胸膜、臍部、膣部など)に内膜病変が存在してしまう病気です。

原因としては、エストロゲン刺激によりますが、詳細は未だ不明な場合もあるそうです。

月経痛や不妊、慢性骨盤痛などにも関わってきます。また、一部がん化もあるとのこと。

その他、治療法や問題点、またチョコレート嚢胞に関してはさらに深く掘り下げてお話を伺うことができました。

続いて、子宮筋腫について。

午前中の診療後に駆けつけていただいた、松永先生からの講義です。

子宮筋腫には、3つの筋腫があり、原因としては子宮内膜症同様、エストロゲン刺激によって発生しますが、詳細は不明とのこと。

症状としては、月経過多、貧血、不妊、腫瘤感、疼痛など、女性であればその不快さは想像しえるものです。

進行すると内膜症のようにがん化するのか、治療法、再発、避妊期間、分娩方法など、様々な問題点や、MRI画像など、普段見ることのできない資料も見せていただきました。

木を見て森を見ず。

病気の一部だけをみて、本質を見逃してしまうと、それは対処療法であり、本来私たちが追求するべきケアではなくなってしまいます。

お二人の先生からのお話は、日々の診療から得られた、とても深いお話でした。


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